多田政一博士

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プロフィール

 

1911年生まれ。東京大学理学部動物学科卒(1935年)。明治以後の日本の生んだ天才にして不世出の医哲学者。東洋医学と西洋医学の統一による第三の人間文化の究明をライフワークとして研鑽を続けられた。Hon.Dr.Sc.,Dr.Ph. (米国,ドイツ,カナダ)、日本綜統学術院代表、第三民主同盟・中委長、日本酵母研究所代表、国際ヴェジテリアン連合(I.V.U.)極東委及び名誉副総裁、YOU・Iクラブ最高顧問を歴任。1998年逝去。

NPOユー・アイ・クラブ名誉理事長。

唯生論(Creatism)

 人間の認識をめぐって、「物は心の反映である」(唯心論、Spiritualism)か、「心は物の反映である」(唯物論、Materialism)かは、歴史的な論争となってきました。19世紀半ばにマルクスが「人間の心は、経済実践の産物である」と喝破した。さらに「矛盾は万物進化の原動力」(唯物的弁証法)から、社会の経済的矛盾を究明し、資本家階級と労働者階級という矛盾を発見したのです。そしてこの矛盾間の闘争こそ、社会進化の原動力であると結論したのです。この思想が20世紀の発展と混乱をもたらしたのですが、第2次世界大戦前後に、多田政一博士はマルクス哲学の誤りと唯心論の堕落を見抜き、唯生論(Creatism)を打ち立てたのです。

 マルクスは人間の実践(欲求と行動)の重心を単に経済(お金)と見たのですが、多田博士は、人間は「食うこと」と「性欲」のためにお金を求めているのであって、人間実践の重心は経済ではなくて、「食と性」であると見たのです。マルクスの考えは社会学的には正しいが、個人的実践は社会的環境の産物であるとしたところに、誤りがあったわけです。それは今日、共産主義社会の破綻と崩壊という現実で明らかになったわけです。

 一方、唯心論を見てみると、ソクラテスとアリストテレスは「人間の心は日常の生活実践の産物」と見ていたのです。ところが後に宗教的唯心論が時の権力と結びつき、「人間の心は神仏の産物」となってしまったのです。これが、共産主義崩壊後の現在の宗教戦争をもたらしているのです。しかしながら、東洋の宗教家は違いました。時の政治権力にへつらわず、日蓮、道元は「衣食住の実践が仏道」であり、人仏一体になるところに仏教のあることを悟っていたのです。

 多田博士は、唯心論の本領は「身体実践」を取り上げるところにあり、唯物論の本領は「経済実践」を取り上げるところにあるとし、現代人の意識はこの両者の綜合であると見たのです。そして、「食と性による生活革新」こそ個人の成長と社会進化をもたらすと結論したのです。これが唯心論と唯物論を止揚した唯生論なのです。

(大西記)

 

 

                       

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H.Ohnishi MD

最終更新日: 04.9.29
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